日本では、7人に1人の子供が貧困状態だと言われています。厚生労働省の発表では、「子供の貧困率」が13.9%なのです。
しかし、「7人に1人の子供が貧困」と言われても、おそらくピンとこないと思います。私もそうです。
そのためにも、「絶対的貧困」と「相対的貧困」について理解を深めていきましょう。
貧困の捉え・定義には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」の二つがあります。
今日は「絶対的貧困」について。
一般的に、食べることもままならないと生活水準のことを「絶対的貧困」と呼んでいます。
おそらく、多くの方は「貧困の子供」というと、アフリカの難民の子供や、戦後の配給時代の子供を思い浮かべると思います。
そもそも、「絶対的貧困」(absolute poverty)という言葉は、産業革命時代にイギリスで行われた労働者の貧困調査で使われた言葉です。
その時、過酷な労働に従事する労働者にとって最低限必要な食費と最低限の衣服費を加えた額を「貧困基準」として設定しました。すると、イギリスの労働者の3割が貧困だったという事実が発見されたのです。
現在の「絶対的貧困」の定義は、人間として最低限の生活ができないような貧困状態を指します。
具体的には、世界銀行が国際貧困ラインを定め、その額に届かない状態のことを「絶対的貧困」と定義しているのです。
2015年10月の時点で、国際貧困ラインは1日1.90ドルと設定されています。(2015年10月以前は、1日1.25ドル) 世界銀行 「世界の貧困に関するデータ」
http://www.worldbank.org/ja/news/feature/2014/01/08/open-data-poverty
この1日1.90ドルは、日本円にすると1日約200円なので、「毎日200円以下で暮らしている人たちが絶対的貧困」と定義できると思います。
ちなみに、
この「絶対的貧困」ライン(1日1.90ドル)以下で暮らす世界の貧困層は、2015年には7億200万人(世界人口の9.6%)だと世界銀行によって示されています。 世界では約10人に1人が「絶対的貧困」、人間として最低限の、食べることもままならない状態に置かれているのです。
貧困は、人間の知力、体力を損ない、そして、成長と発展をさまたげます。そんな悲しむべき状態の人が、世界では約10人に1人なのです。