「大したことない」「自分はだいじょうぶ」の「正常性バイアス」の罠から逃れ る

西日本をおそった豪雨によって河川が氾濫したことを受けて、避難指示が発令されました。しかし、その避難指示の発令後も、住民が避難せず逃げ遅れて被害が拡大したことがわかってきました。 避難指示が出ているのに、なぜ避難しなかったのでしょう。

この事態を「正常性バイアス」という心理学の用語を使って説明しているサイトが多く見られます。
「正常性バイアス(normalcy bias)」とは、Wikipediaでこう定義されています。

「社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。」 http://supervisor-ex.com/L90494/b100/11961

今回の場合、避難指示が出たのに「正常性バイアス」によって「大したことない」「自分はだいじょうぶ」と思ってしまったのです。 これは、その場から避難しなければならない非常事態であるにもかかわらず、「正常性バイアス」によってその危険性が過小評価され、避難への認識が妨げられたのです。… 続きを読む

おかげさまで365号発行することができました

実は、昨日、このメルマガの発行が、ブログ時代(大げさなですが)を含めて365号になりました。
昨年の11/20からはメルマガを毎日発行しています。

365号という、ある程度継続しての発行をすることができたので、今後は新たな事業も加えようと考えています。

これからも、この「渡辺喜男のメールマガジン」を含め、様々な形で
・問題解決のやり方
・科学的な知見
・経験に裏付けられた情報
・知的好奇心を満たす情報
を、皆さんに届けてまいります。

これからも「渡辺喜男のメールマガジン」のご愛顧を、よろしくお願いいたします。… 続きを読む

言葉でほめて、顔でもほめる

「メラビアンの法則」という法則があります。あの「第1印象が大切」「人は見た目は9割」と言われる人の認知の傾向を示したものです。 実験によると「言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%」の割合で、参考にする情報を選んでいるのです。

ところが、この「人は見た目で判断をしがちだ。だから、容貌や服装を整えよう」「非言語コミュニケーションが大事だ」というのは、実は「メラビアンの法則」の変形なのです。 このことは、wikipediaの「メラビアンの法則」の項目に書かれています。
wikipedia
http://supervisor-ex.com/L90494/b100/11941

アルバート・メラビアンは、感情や態度について「矛盾したメッセージ」が発せられたときの人の受けとめ方についての実験を行いました。その結果は、影響を受けるのは、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合でした。

ですから、本来は、複数の情報があってそれが矛盾している場合、見た目を重視するということなのです。例えば、好意的な内容を口では言っているのに、顔は嫌悪の表情を浮かべている場合、嫌悪と人は受け取ります。

とすると、この「メラビアンの法則」を活用するときに大切なのは、「視覚情報を重視しよう」ということもありますが、「発信する情報をそろえよう」ということでもあるのです。 「情報に矛盾を生じさせない」ことを心がけるのです。… 続きを読む