「大したことない」「自分はだいじょうぶ」の「正常性バイアス」の罠から逃れ る

西日本をおそった豪雨によって河川が氾濫したことを受けて、避難指示が発令されました。しかし、その避難指示の発令後も、住民が避難せず逃げ遅れて被害が拡大したことがわかってきました。 避難指示が出ているのに、なぜ避難しなかったのでしょう。

この事態を「正常性バイアス」という心理学の用語を使って説明しているサイトが多く見られます。
「正常性バイアス(normalcy bias)」とは、Wikipediaでこう定義されています。

「社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。
自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。」 http://supervisor-ex.com/L90494/b100/11961

今回の場合、避難指示が出たのに「正常性バイアス」によって「大したことない」「自分はだいじょうぶ」と思ってしまったのです。 これは、その場から避難しなければならない非常事態であるにもかかわらず、「正常性バイアス」によってその危険性が過小評価され、避難への認識が妨げられたのです。

では、この「正常性バイアス」の罠から逃げるためにはどうすればよいのでしょうか。

そのための最大の対策は「訓練」だと思います。
学校の場合は、もちろん「避難訓練」です。
訓練を重ねることで、いざというとき、落ち着いていつもと同じ行動をとることができます。そうすることで身を守るのです。

避難訓練では、常に「必要な避難手順」を、行動を伴って確認していきましょう。
学校は、職員の入れ替わりがかなりありますので、共通理解をくどいほどやってちょうどよいのです。

しかし、矛盾するようですが「避難訓練」に慣れてもいけません。
マンネリになると、これこそ「また訓練か」の「正常性バイアス」にはまってしまいます。
職員にも予告なしの訓練を行うべきなのです。