ナビとETCなしで、目的地に向かう

新しく購入する新車の納入時期と、今まで乗っていた車を中古車業者に転売する時期との間に、2週間ほど間が空いてしまいました。 そこで中古車業者にお願いして、代車を手配してもらいました。
ところが、その代車、余計な装備が一切ありません。ラジオだけ、まるで、昭和の車の装備です。

では、余計な装備がないことで困るものは、何だと思いますか。
そう、それはナビとETCです。

2週間、自宅の近くを走っているだけだったら、なんともないです。
しかし、高速道路使って遠くに行くとなると、うーんとなりますね。
しかし、そのようなことが実際に起こったのです。

行くところは、学校に併設してある放課後キッズクラブ。夏休みの余暇支援活動のために伺うのです。
私は、これまで1回車で行ったことがあったので、何とかなるかなと思って、スマホのナビは使わないと心に決めました。
ちょっとしたアドベンチャーのつもりでした。
地図帳なんてもちろんありません、ネットで事前に地図を見ることもしませんでした。
だってアドベンチャーですから。

まず高速道路に乗ります。料金所はETCレーンがほとんどで、有人の料金所は少数派です。
車線変更をして、隅にある有人の料金所に行くと、「250円です」と男性が声をかけてきて、お金を入れるトレイを差し出しました。 私は、それから慌てて、財布を出して小銭を捜し、トレイに乗せます。前もって準備をしていなかったのです。
その支払いの間に、私の車の後に1台車がつきました。こうなると、さすがにあせってしまいます。
「ありがとうございました」と、ていねいにその料金所の男性は声をかけてくれました。コンビニよりもていねいな印象でした。

さて、何とか高速道路を降りて、目的の学校まであと少しです。ところが、まっすぐ走って着くのではなく、どこかで右折した覚えがあります。 それがどこだか思い出せません。
明瞭に覚えているのは駅と踏切です。踏切を渡って、そこから丘の上の学校まで行ったことを覚えています。

どこで右折だ、どこだと目をキョロキョロさせます。
ここじゃない、ここじゃないと交差点のたびにつぶやきます。
と、何か見覚えのある歩道橋です。古びたこの歩道橋。そうだ、ここで右折。
記憶の深い井戸の底を探して、やっと見つけたものに現実をつなげることができました。
車をさらに走らせると、見覚えがあるようなスーパーマーケットの前を通り、しばらくすると駅があり、踏切がありました。

もう、だいじょうぶ。無事に私は目的の学校にたどり着くことができました。
アドベンチャー、成功です。

このようにして、一度行ったことのある所なら、何とかナビなし・ETCなしでもいける自信がつきました。

ただし、注意力・集中力を記憶さがし、ランドマーク(見覚えのあるもの)さがしに使っているので、非常に疲れます。
そして、確実に危険度は増しているのです。

便利な設備・装置がなかった時代を、好ましいもの・あの頃はよかったとして扱うのは、やはり、一面的な見方だと思います。