「具体的に」という「条件」

今日も、熊本の椿原正和氏の「新学テ国語の授業改善セミナー神奈川講演会」で学んだ「条件にそう答え方」について話題にしていきます。

それは、「具体的に」という「条件」です。

椿原氏が、例としてあげたのは、この問題です。

昭和27年度全国学力・学習状況調査解説資料 中学校国語
? 調査問題の解説
B 主として活用に関する問題
2 情報を関連させて読む(2020年)
http://www.nier.go.jp/15chousa/pdf/15kaisetsu_chuu_kokugo.pdf

問題
・あなたは2020年の日本はどのような社会になっていると予想しますか。またその社会にどのように関わっていきたいと思いますか。あなたの考えを書きなさい。 ・【ウェブページの文章】と【日本の人口推移を表したグラフ】、【雑誌の記事の一部】の中からいずれか2つを選び、それを内容取り上げて具体的に書くこと。

「予想」「関わり」について「自分の考え」を書く問題です。

まず、【ウェブページの文章】と【日本の人口推移を表したグラフ】、【雑誌の記事の一部】の3箇所から、2箇所についてふれることが条件です。 これは、わかりやすいですね。

次に、「予想」「関わり」の2つの「考え」を書くことが条件です。
これも、わかりやすいです。

しかし、次がわかりにくいのです。

「具体的に」書くこと。

正答例と誤答例をみてみましょう。

(正答例)
Bのグラフからもわかるように、高齢化が進んで若者が減っていくと予想されるので、若者代表として努力し、オリンピックでメダルを取って日本を盛り上げたいと思います。

(誤答例と解説)
いろいろな面でとても大変な社会になっていると思います。私はそのような社会で装着型ロボットを使用して、高齢者の介護をしていきたいと思います。 (予想した2020年の社会について、具体的に書いていない。)

オリンピックパラリンピックの影響で様々なスポーツに注目が集まるだろう。今後増えていく高齢者もスポーツに関心をもつと思われる。私はそのような社会に積極的に関わっていきたい。 (2020年の社会に、自分がどのように関わっていきたいかを具体的に書いていない。)

私達は、
「具体的に」という「条件」を意識して、教えていかねばなりません。

「具体的」とは、「はっきりとした形や内容、数字、事例が示されている」という意味です。(「具体」とは、実体を具える、ですね。) 小さな子供向けなら、「はっきりとした、もっと詳しいもの」でよいと思います。

授業の中で、「具体的に」と「条件」をつけて問うているのに、子供が抽象的な物言いをしたら、「具体的に言ってください。」ときちんと問いの「条件」に正対させていくことが大切なのです。

それが、「答え方」とともに、理解力の向上につながっていくのだと考えています。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください