宮城まり子さんの言葉「やさしくやさしく、やさしくね。やさしいことは強いこ と。」

女優で、「ねむの木学園」を作った宮城まり子さんが亡くなったと報道がありました。
胸が締め付けられるような思いです。

「ふれあい囲碁」の故安田九段が、常々熱っぽく話されていたのが「ねむの木学園は、ぜひ見ておいた方がよい」ということでした。

「ねむの木学園」とは、女優宮城まり子さんが、日本で初めて肢体不自由児のためにつくった療護施設です。
静岡県掛川市にあります。

安田九段は、「10月に、ねむの木学園で運動会があるので、絶対に見た方がよい」と力説されました。
安田九段のこれまでにない迫力に興味を掻き立てられ、「絶対に見なくちゃ」と教育サークルのメンバーを誘って、8人で静岡県掛川市の「ねむの木学園」を訪れました。 2010年のことです。

運動会で、肢体不自由な子たちが懸命に手を挙げている姿、職員、児童生徒が一体となって全力で走っている姿、腕を伸ばして堂々と退場する姿に、経験したことのないすがすがしさを感じ、心の底から「いいなあ」と思いました。

もう、これまでにない感情でした。
懸命にやっている姿に心を打たれました。

運動会では、会場からは絶えず、拍手、手拍子が鳴り響き会場全体が一体感であふれていました。
涙を流して見る方もいましたた。

運動会後、安田九段にもお会いし、一緒にねむの木学園の設立者、宮城まり子さんの美術館や文学館を見て回りました。

子どもたちが描いた美術作品をみて、この子たちはまさしく「天才」なんだなと思いました。まり子さんの言われる「無限の可能性」を感じました。

安田九段は、宮城まり子さんのやっていることを、「無償の愛」と言います。
私財を投げ売って、あの広大な敷地のねむの木学園を設立し、維持してきたことを思うと、その「無償の愛」ということに納得できます。

宮城まり子さんは、運動会の間ずっとマイクを離さず、絶妙なトークで仕切り、会場を笑顔にしていました。

「やさしくやさしく、やさしくね。やさしいことは強いこと。」

宮城まり子さんの言葉です。

ご冥福をお祈りいたします。