「五十音」続き 立ちましょ、らっぱで、タ、チ、ツ、テ、ト。

「あめんぼ 赤いな。ア、イ、ウ、エ、オ。」
昨日紹介した北原白秋の「五十音」という詩は、「さ行」で終わるのではなく、続きがもちろんあります。

立ちましょ、らっぱで、タ、チ、ツ、テ、ト。
トテトテタッタと飛び立った。

なめくじ のろのろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ。
納戸(なんど)に ぬめって、なにねばる。

鳩ぽっぽ、ほろほろ。ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。
日向(ひなた)の お部屋にゃ 笛を吹く。

蝸牛(まいまい)、ねじまき、マ、ミ、ム、メ、モ。
梅の実 落ちても 見もしまい。

焼栗、ゆで栗。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。
山田(やまだ)に 灯(ひ)のつく 宵(よい)の家。

雷鳥は寒かろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。
れんげが咲いたら、瑠璃(るり)の鳥。

わい、わい、わっしょい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ。
植木屋、井戸がえ、お祭りだ。

けっこう「シュール」な詩だと思います。

この「五十音」、元々はかな学習歌として作られたので、題名通り50音すべてがバランスよく使われています。
そのためにか、この「五十音」は、演劇・アナウンサーなどの発声練習教材として使われていることが多いのです。

発声練習では、特に「あ」の母音を言う時、口が開けなくてはいけません。
しばらくは、顎の筋肉が痛くなりそうです。