学級経営でカバーする子ども像=典型となる子ども

この先生は「ストライクゾーンが広い」という言い方をします。
それは、この先生は「どんな子でも受け入れられる技量と度量がある」という意味です。
そんな先生に、ほんと、なりたいものですね。

私は、担任した子達、全員を満足させたいと思っていました。
ですが、完璧にどの子にも目を配ることはできません。そもそも、こちらが繰り出すことができる手立てにも、限度があります。

そんな有限の資源をどう活用するかと考えて、40代の頃から、学級経営案に「学級経営でカバーする子ども像=典型となる子ども」なる項目を作って、書いていました。

「学級経営でカバーする子ども像=典型となる子ども」とは、以下の対によって設定して、マトリックスとして示したものです。
1 勉強できる・苦手−運動のできる・苦手
2 積極的な・受け身な−安定・不安定

こうして二つのマトリックスができます。

具体的には、
・勉強ができて運動もできる子
・勉強ができて運動は苦手な子
・勉強が苦手で運動はできる子
・勉強も運動が苦手な子

・積極的で安定している子
・積極的で不安定な子
・受け身で安定している子
・受け身で不安定な子
に当てはまる子を書き出したのです。

私は、このうち「勉強も運動が苦手な子」と「受け身で不安定な子」に特に目を向けていこうと考えました。

この子たちが満足する教材や学級の仕組み・イベントを作っていけば、他の子達もそこそこ満足できる学級生活を送れるのではないかと考えたのです。

シンボルとなる子をターゲットにしてカバーすることで、他の子も同様にカバーできると考えて実践してきました。

今考えると、UD(ユニバーサルデザイン)の考え方だなあと思います。