「給特法」に裁判長の「苦言」

教員の時間外労働の賃金について、きちんと支払われていないのは違法だと訴訟に訴える教師が相次いでいます。

教師には、残業代を支払わない代わりに月給4%分を一律で支給する「教職員給与特措法(給特法)」が適応されます。
しかし、適正な時間外労働とは言えない長時間労働が行われている実態があります。
その点において、訴訟がなされる訳です。

その一つの裁判の判決が10/1に言い渡されました。

判決は、これまでの判例同様に、時間外賃金の請求を棄却したものでした。
しかし、今回の判決には、異例とも言える裁判長の「苦言」がなされ、注目されています。

それは、このようなものです。

「なお、本件事案の性質に鑑みて、付言するに、本件訴訟で顕(あらわ)れた原告の勤務実態のほか、証拠として提出された各種調査の結果や文献等を見ると、現在のわが国における教育現場の実情としては、多くの教育職員が、学校長の職務命令などから一定の時間外勤務に従事せざるを得ない状況にあり、給料月額4パーセントの割合による教職調整額の支給を定めた給特法は、もはや教育現場の実情に適合していないのではないかとの思いを抱かざるを得ず(以下略)」

裁判は現行法に沿って行われるもので請求は棄却せざるを得ないが、その現行法が実態に合っていないと言うのです。

まったくもって、その通りですね。

この判決は、勤務実態に合った法改定がなされるための一歩だと思います。

朝日新聞デジタル
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