食べられて仲間を増やす

私の教育サークルでは、子供向けの理科講座において、「風で飛ぶ種」を扱うことがあります。
この理科講座では、風で飛ぶニワウルシやラワンの種のモデルを作り、空中を飛ばせて、なぜ種が空を飛ぶ必要があるかを考えさせます。

植物は自ら移動して、種をばらまき子孫を増やすことはできません。
そこで、いろいろな工夫をしています。
風で飛ぶ種、はじけ飛ぶ種、動物(人間)にくっついて運ばれる種、鳥や動物(人間)に食べられて、遠くで糞から発芽する種などがあります。 空を飛ぶ種は、植物の生き残りをかけた戦略なのです。

ちょうど、日能研の「シカクいアタマをマルくする」の駒場東邦中学校の「理科」の問題も、そんな生き残りの戦略を扱った問題でした。

こんな問題です。

(問)昨年、金魚の祖先でもあるギベリオブナの卵が、水鳥に食べられて糞(ふん)として排出(はいしゅつ)されたのにもかかわらず、一部の卵が消化されずに生き残り、正常にふ化することが実験によって明らかになりました。 食べられた卵のうち、わずかしか生き残りませんが、ギベリオブナにとってはいくつかの利点があると考えられています。
ギベリオブナにとって、水鳥に卵が食べられることで得られる利点を答えなさい。
https://em-tr271.com/L90494/b300/114731

えっ、ですね。
食べられるリスクを犯しても、それを帳消しにするほどの利点とは、何なのでしょうか。

これは、「鳥や動物(人間)に食べられて、遠くで糞から発芽する種」と同じ戦略です。

卵は、その池?湖を、水鳥に食べられることで飛び出すことができます。

水鳥が、他の池や湖で糞をして、そこで卵がかえれば、ギブリオブナにとって他の土地で仲間を増やすことができるのです。

それがメリットです。

いやいや、ものすごい生き延びる戦略ですね。