「自分の藪に張り付いていろ」という格言をご存知でしょうか。
この格言というか、エピソードを、百田尚樹氏が、「鋼のメンタル」というエッセイで紹介しています。
それは、庄野潤三氏の小説「静物」に出てくる言葉なのだと、百田氏は言っています。
このように百田氏は書いています。
「子どもたちが山にイチゴを取りに行きます。
ある子が藪の中に入ってイチゴを探していると、遠くから「イチゴを見つけた!」という声が聞こえます。するとその子は「あ、あっちの藪にあったのか」と、慌てて声のした藪に向かいます。 ところが、その藪は既にイチゴが取られた後で、ひとつも残っていません。
すると、また別の藪から「見つけた!」という声が聞こえ、今度はその藪に走ります。
でも、そこでも既にイチゴは取られた後です。結局、声がした方に向かってばかりいた子は、とうとうほんの少ししかイチゴを取ることができなかったという話です。 要するに、イチゴが欲しければ、他人の声に惑わされずに、「自分の藪に張り付いて探し続けろ」ということです。」
人のことばかり気にしていないで、自分の内にある声を聞き、自分の才能を信じて生きていくことで、人は成功するのではないか。
そんなことを、この「自分の藪に張り付いていろ」という言葉から考えさせられます。
「自分の藪」をもっと見つめていきたいと思いました。