保育士さんの見事なテクニック

私の孫の保育園で開催された「祖父母参観」において、保育士さんの様子を、教師の視点で、同じ教える・育てる職業として観察していて、気づいたことがありました。

今回の祖父母参観のメニューは、1時間弱で、ざっと3つ。

・おやつタイム
・読み聞かせ
・帰りの会

この3つを、2歳児のクラスですから、むちゃくちゃゆっくりとやるわけです。

さて、私が一番感心?したのは、読み聞かせでした。
それは、読み聞かせの導入において、「変化のある繰り返し」「先生が間違える」「声を出させる」等のテクニック?を入れて、子供を集中させていたからです。

保育士さんが子供たちを集め、半円形に座らせ、自分は真ん中に座りました。
おもむろに、「おおきなかぶ」の絵本を出しました。

秀逸だったのは、ここからでした。

まず、絵本を逆さまにもったまま、「読みますよー」と先生は言いました。
すると、「さかさまー」と気づいた子供たちが口々に、先生に注意するように言いました。

「そうかあ。ごめんごめん。」と先生は謝って、「これならいいかな」と持っていた絵本をくるっと回転させました。
ところが、180度ではなく90度だったのです。

子供たちは、「ちがうぅ」と声を大にして言います。もう、怒っている感じです。
「ごめん、ごめん」と今度も先生は謝ります。
そして、「これでいいね」と、また本を回転させるのです。でも、今度は表紙ではなく、裏表紙の側を見せるようにしたのです。

またまた、子供たちは「ちがう、ちがう」と口々に言います。けっこうなテンションです。
そして、ヒートアップして、先生の振る舞い?に我慢できなくなった子がいて、その子は先生の前に出て、本を掴んで、表紙が見えるように持ちかえさせたのでした。

ここまでの先生の行為は、ほんと、見事でした。
「先生の間違い」と「変化のある繰り返し」で、子供たちを一気に集中させたのです。

すごいなあ、さすがだなあと思いました。

これって、1年生なら、同じようにやっても、同じような反応があると思いますよ。
ぜひ、試してみてください。