「記念誌的作文指導」を見直しませんか

年末に、東京の村野聡先生と一緒に講座の検討しました。
村野先生は子供たちに、作文の技術を習得させたいと念願している先生です。
ここでは、村野先生が持参した作文指導のレポートを読んで、そうだと得心したので紹介します。

そのレポートには、こう書かれていました。

「教科書には1年間の中で十数時間の大単元が2つ、8時間程度の中単元が1つ程度取り上げられています。
40時間ほどの時間をかけて3つの作文しか書くことができない構成である。
1単元1大作主義であり、「記念誌的作文指導」である。」

私は、この「記念誌的作文指導」という言葉に、大きく相槌を打ちました。
「そうだよなあ、まるで卒業文集みたいに、1つだけみがき上げるように作文を書かせるよなあ。うまいこと言うなあ。」

何度も何度も見直して書き直したり、友達と見合ったりして長い時間をかけて、たった1つの作文を書く。… 続きを読む

写すこともお勉強です

「写すこともお勉強です。一番いけないのは何もしないことです。」
これは、向山洋一氏の有名な言葉・フレーズです。

残念なことに、多くのクラスで、算数は自分で解くものであって、他の人の答えを写すものではないと考えられています。
そして、写すことは恥ずかしいと考えている子供が多いのです。

ですから、新しいクラスになって、
「写すこともお勉強です。一番いけないのは何もしないことです。」
と始めの算数で言うと、「えっ、写していいの」という声が出ることもあるです。

算数の苦手な子は、何回も何回も正しい解き方を写していくうちに、解き方のパターンを身につけることができます。

このような順番に、式は書くんだな。
ここの数字は、次のここに写すんだな。… 続きを読む

「学習のやり方を身につけさせる」ために「赤鉛筆でうすく書いてなぞらせる」

私たち教師が、子供に身につけさせることは、学習の中身(学習内容)と学習のやり方(学習方法)ですね。
しかし、「やり方がよくわからない」と言って、学習に取りかかられない子がかなりいます。

こんな子たちをどうしたらよいのでしょうか。

学習のやり方を身につけさせる強力な方法の一つに、「写す」ということがあります。

例えば、算数の問題を解く場合。
教科書には問題が書いてあって、そのすぐ下には、「式」と書いてあります。
子供たちに、この教科書に書いてある式を「そっくりそのまま写す」んですよと指示します。

しかし、この簡単な「写す」ということできない子が教室にはいます。体験からするとだいたい二、三人います。

「そっくりそのまま写す」ことができないのです。

大人からしたら、先生からしたら、なんでこんな簡単なことができないのかと思われるかもしれませんが、その子にとってはそれまで「写す」という勉強したことがないのです。 … 続きを読む