東京近郊の私鉄に乗っていると、横浜市の新横浜に本部がある進学塾の日能研の広告が目につきます。
あの「シカクいアタマをマルくする」問題です。私立中学校の受験問題が掲載されていて、チャレンジしようという意欲をかき立てられます。
その5月の算数の問題は、以下のようです。
渋男君は、算数のテストでクラスの上位半分に入ったら、ごほうびをもらう約束をお母さんとしました。テストが終わり返却されたところ、渋男君はクラスの平均点よりも低い点数でした。 それを見たお母さんは「平均点よりも下だから、上位半分には絶対に入っていないわね。」と言いました。
(問)「平均点よりも下だから、上位半分には絶対に入っていない。」とは限りません。
その理由を、お母さんが納得するように説明しなさい。
2018年 渋谷教育学園渋谷中学校入試問題より
https://www.nichinoken.co.jp/shikakumaru/201805_sa/
これは、いわゆる平均と分布の問題ですね。
しばらく、考えてみてください。
では、私の解答です。
例えば10人のクラスとします。100点のテストで以下のような得点を、それぞれがとりました。
渋男君はEで、30点です。
A 100
B 100
C 100
D 100
E 30 (渋男君)
F 0
G 0
H 0
I 0
J 0
すると、平均は43点なのです。
渋男君は30点で平均以下です。しかし、上位5名に入っています。
低得点の子が多ければ、平均点はがくんと下がります。
標準分布になっていないのです。
ちなみに、日能研が示している解答は以下です。
クラスの人数が6人で、点数がそれぞれ100点、12点、11点、10点、10点、7点だとするよ。すると、平均点は25点になるから、12点の人は平均点よりも下なのに、第2位で、上位半分に入ることになるよ。
うーん、この極端な例の方が確かにわかりやすいです。
納得しました。
平均の学習の発展として扱っても、おもしろいと思います。