オフィスはとっくの昔に「17度以上28度以下」

この4月、文部科学省が「学校環境衛生基準」を一部改正して、これまで「10度以上30度以下」だった望ましい室温を「17度以上28度以下」にしたことを、昨日話題にしました。 しかし、一般のオフィスはどうかというと、とっくの昔、40年以上前にエアコンの設備がある場合は「17度以上28度以下」と規定しているのです。

労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則では、次のように規定しています。

3 事業者は、空気調和設備(エアコン)を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない。

これは昭和四十七年、今から46年前に施行されたものです。
これで、やっと学校の教室も一般のオフィスと同等になりました。

これは、学校にもようやく「空気調和設備」(エアコン)が整備されてきたということなのです。
授業日数確保のため、夏休みを短縮して暑いさなかにも勉強させるようになったのですから、エアコンの整備は当然だと思います。
そのエアコンの整備が、多くの学校においてなされたということが、この改正の根っこにあります。

しかし、この「10度以上30度以下」という室温基準の改正にあたり、「暑さ、寒さに耐えることを学ぶのも教育」との意見があったという報道もされているのです。 読売新聞 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180527-00050005-yom-soci

「学習」と「我慢・耐えることを学ぶ」ことをごっちゃにしている論議です。
算数の学習は算数を学ぶのに最適・効率的な環境ですべきです。
もし「我慢・耐えることを学ぶ」ことが必要なら、別途、そのような時間・環境を用意すべきです。

だいたい「我慢・耐えること」は他人から強いられて学ぶものではなく、仕方なくそのような境遇に遭遇したときに「生きる知恵」として学ぶものだと思います。

子供は働いていないから少しは我慢しなさい、ということなんでしょうか。