ゴーグルは水泳学習の必須アイテム

教室の室温を適正にしないで「暑さ、寒さに耐えることを学ぶのも教育」という意見は、「我慢を強要」して変です。
それと同様に、「水泳学習でゴーグルの使用を禁止」するのも変です。これも「我慢の強要」です。
水泳学習の季節が来たので、このことを話題にしておきます。

私の知り合いから聞いたのですが、いまだに、水泳学習でゴーグル使用を禁止している学校があるといいます。

その理由の一つは、
「水中で目を開けられるようにすることは、学習事項である」
と言うのです。

ですが、あんなに塩素のきついプールで、ゴーグルなしで目を開けろというのはムチャです。基準を守るために、塩素を投入している教師なら、よくわかるはずです。
高学年では、かなり長い時間プールに入っています。25mや50mを何本も泳ぐ子もいるのです。そんな子たちはずっと目を開けて泳ぐのだと考えて、かわいそうにならないのでしょうか。

だいたい、教師がゴーグルなしで、目を開けてプールで泳いでいるのでしょうか。
私は、近視なので「度付きゴーグル」をつけて指導していました。

では、
「水中で目を開けられるようにすることは、学習事項である」について言及します。

新学習指導要領の解説には、低学年の「水遊び」について、こう書かれています。

水遊びの学習指導では,水に対する不安感を取り除く簡単な遊び方を工夫することで学習を進めながら,水の中での運動遊びの楽しさや心地よさを味わうことができるようにすることが大切である。そうした指導を通して,技能面では,水にもぐることや浮くこと,息を止めたり吐いたりすることを身に付けることが重要な課題となる。

水中で目を開けるなんて、どこにも書かれていません。学習事項ではありません。
ここには、「水に対する不安感を取り除く」ことが第一だと書かれているのです。

ゴーグルは目を開けさせ、安心して水泳学習を行うための必須のアイテムです。
これは、長年、水をこわがる子を指導してきた教師の実感です。
だいたい、水泳が苦手な子、水がこわい子ほど目をつぶります。ほとんど100%です。
そんな子にゴーグルをつけさせ、水中の視界を確保することで、水に対する不安感を取り除かせることができるのです。

ゴーグル使用は、原則自由であるべきです。
いや、必須のアイテムです。