ペルセウス座流星群は見られるのか

8月12日の15時30分、横浜駅西口のツアーバス専用乗降場からツアーバスに乗り、長野白樺湖に向けて、ペルセウス座流星群を見に出発しました。 その時の天気は薄曇り、空は雲に覆われています。日中に全く太陽が出ることがなく、夜に向けての天気予報は降水確率40%。
私の心は急降下した状態でした。

高速を降り、すっかり暗くなった道をバスは進んでいきます。もうすぐ白樺湖というときに、窓が雨でみるみるうちに濡れていきました。 ツアコンの男性が「皆さん、日頃の行いがよいので、きっと晴れますよ」と、ツアーの説明の際に言った言葉が白々しく思い出されてきました。

8時30分すぎに白樺湖畔のホテル横の土産物売り場に着いて、すぐ花火が打ち上げられました。
小雨の中で見る花火は、何とも不思議な気分でした。

バイキングの夕食を食べても天候は変わらず、10時からは星空レンジャーによる星空解説がホールで行われました。
11時までの詳細、かつ長々とした解説でした。

と、その星空解説の終わりに、「雲の切れ間が見えた」と外の駐車場から連絡が入ったことが、参加者に告げられました。
おっおっ、情勢が変わってきたみたいです。

急ぎ、大きな駐車場に行くと、すでにたくさんの人が寝転んでいました。
私も、少し乾いた場所を選んでバスタオルを敷き、バッグを枕に寝転びます。

見上げると、空の1/5くらいが見えます。濁った灰色の雲が空を覆う中に、ポツンと黒い空が見え星が輝くのが見えました。
しかし、一部とは言え、空が開かれました。ともに、私の心も開かれていきました。

見える空は1/5から1/3くらいになったと思うと、すぐにすべてが雲に覆われます。
しかし、確実に空が広がる方向に動いています。

寝ころがって、20分くらい待つと、空の1/2くらいが晴れました。
慣れてきた目に、はっきりと星が見えます。

突然、まわりから「オーっ」という声。
「流れた」「見えた」・・・
えっ、私は見逃しました。
くやしいです。

どんどん雲の動きが速くなり、空が大きく見えてきました。
見ている方向が悪いのかと思い、キョロキョロとあちこちを見回します。
一瞬、何か動いた気がするのですが、流星のイメージを私はもっていないので、判定できません。
まわりからは、それからも、ときおりどよめきが起こっていました。

あー、いつになったら見られるんだろう。
と、思った瞬間、流れ星がピョイと流れました。

あっ、こんなに短いんだ。
私は、飛行機雲のようなイメージをもっていたのです。

よかった、よかった。見えた。見えた。

そのうちに、空が大きく晴れ渡りました。
そして、私たちの真上を長く流れるものがあって、おー、見えた見えたと声が上がます。

そうだ、そうだ、私も見た見た。
よかったなあ、来てよかったなあ。

深夜1時過ぎ、湖畔の駐車場に寝転んだ人々に、妙な一体感が生まれた瞬間でした。

妄想ですが、このようなことが、毎夜行われているのかもしれません。
自分のやりたいことをわずかでも貫くために、ため息をつき、どうしようかと思案しながら、部屋の窓から夜空をながめている。そんな人たちがたくさんいて、そこには妙なつながりがあるんじゃないかと思うのです。