落ちていく学級の掲示物は曲がっている

教室の前の黒板側と背面側ではなく、教室の横に係の掲示物や子供のちょっとした作品が掲示されていることがあります。
乱れている学級の掲示物や作品は、曲がったり、はがれかけたりしています。
落ちていく学級の様子をそのまま表しているようです。

教務主任をやっていたとき、管理職が不在の時には、私が代わって放課後の校内巡視を行っていました。
その時、教室の窓の施錠を確認するために入った教室の様子は、その学級の様子を投影しているように思えました。

中谷彰宏氏は、会社に貼ってあるポスターの傾きによって、会社の傾きそのものを感じとっていると書いています。

ミーティングルームに行くと、その会社のポスターが貼ってあることがあります。
へこんでいく会社のポスターは傾いています。
その会社の傾きをそのまま象徴しています。

「なぜあのリーダーに人がついていくのか」 中谷彰宏

ここで中谷彰宏氏は、ポスターが曲がっていることは社員みんながわかっているが、それを直すのは自分の仕事ではないと考えている状態が問題であると指摘しています。

大人が活動する会社のミーティングルームのポスターでさえ曲がります。
それは、何もしなくても曲がります。
セロハンテープが湿気で曲がり、時折起きる地震の揺れで曲がっていくのです。

ましてや、教室では子供たちが常に活動しています。
子供たちの手が触れ体が触れる、そんな場所に係の掲示物や子供の作品が掲示されているのです。
曲がったりはがれたりするのは日常茶飯事です。

それが直っているのは、何よりもリーダーである担任の先生が気をつけているからです。
曲がっていることに「違和感」を感じなくてはいけません。

私は、そんな曲がったりはがれている掲示物や作品を、いつもそっと直しておくことにしていました。