「スマホ自転車事故」のペナルティー

私は、このメルマガのような文章を書くとき、基本的に音楽を流してやりません。
歌詞やメロディーに気をとられてしまって、文章を書くことに集中できないのです。
ですから、よくラジオを聞きながら試験勉強をした人がいると言うのですが、私にはそのような勉強の仕方は考えられません。

以前、このメルマガで話題にしましたが、脳はマルチタスクがとてつもなく苦手です。
一度に2つのことを処理することは、脳にはできないのです。
同時に処理しているように見えても、脳の中で2つの回路を行ったり来たり切り替えて処理しているだけなのです。

例えば、テレビを見ながら本を読むことができます。
しかしながら、それはテレビを見ているときはテレビに、本を読んでいるときには本に、意識を行ったり来たりさせて脳の処理をしているだけなのです。 決して同時ではありません。
「ながら仕事」「ながら勉強」は、一見同時処理しているように見えて効率がよいように思えますが、非常に効率を下げているものなのです。

さて、
こんな脳のマルチタスクをやって、最悪なことを起こしてしまったが「スマホ自転車事故」です。

川崎市麻生区で昨年12月、スマートフォンを操作しながら電動自転車を運転し、歩行者にぶつかって死亡させたとして重過失致死罪で在宅起訴された元大学生の女性(20)=同区=に対し、横浜地裁川崎支部は27日、禁錮2年執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。 朝日新聞デジタル http://supervisor-ex.com/L90494/b100/12431

27日に裁判の判決がおりたのです。
当時の状況は、以下の通り。

被告は昨年12月7日午後3時ごろ、歩行者専用道路となっている商店街で自転車を脇見運転し、歩行中の女性(当時77)=同区=と衝突、脳挫傷などで死亡させた。被告は事故直前に少なくとも33秒間、左耳にイヤホンをつけて音楽を聴きながら飲み物を持った右手で右ハンドルを握り、左手でスマホを操作しながら走行。メッセージの送受信を終えてスマホをズボンの左ポケットにしまう動作に気をとられ、事故を起こした。

自転車に乗ってスマホを操作する、もしくは、歩きながらスマホを操作することは小学生でもやりそうなことです。
自分はだいじょうぶだろうと考えても、いったん事故を引き起こすと、どのような社会的なペナルティーを受けるのか教えた方がよいと思います。

以上は刑事裁判ですが、民事裁判ではどのようなペナルティーなのか、小学生の例を示します。

9,521万円 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。 一般財団法人日本損害保険協会 自転車事故 http://supervisor-ex.com/L90494/b100/22431

社会ではごめんなさいではすまされません。
ぜひ、このような刑事・民事のペナルティーを受けることを、機会をとらえてぜひ教えてください。