「写すこともお勉強です。一番いけないのは何もしないことです。」
これは、向山洋一氏の有名な言葉・フレーズです。
残念なことに、多くのクラスで、算数は自分で解くものであって、他の人の答えを写すものではないと考えられています。
そして、写すことは恥ずかしいと考えている子供が多いのです。
ですから、新しいクラスになって、
「写すこともお勉強です。一番いけないのは何もしないことです。」
と始めの算数で言うと、「えっ、写していいの」という声が出ることもあるです。
算数の苦手な子は、何回も何回も正しい解き方を写していくうちに、解き方のパターンを身につけることができます。
このような順番に、式は書くんだな。
ここの数字は、次のここに写すんだな。
最初にかけ算をして、次に足し算をするんだな・・・
例えば、こんな計算のアルゴリズムが自然と身についてきます。
私は、何人もの勉強の苦手な子が、写すことで計算ができるようになり、テストで100点を取る姿を目撃しています。
写すことは、最強の学習方法なのです。
今盛んに喧伝されているAIは、例えば犬と猫を判定することについて、「これは犬」「これは猫」という判定のdataを付け加えていくごとに、判定基準が精緻化されていく仕組みです。 あらかじめ判定基準があるわけではなく、「これは犬」「これは猫」という判定のdataをたくさん蓄積することで、判定基準を作るのです。
AIは、
「たくさん繰り返すことで、判定のパターンがわかっていく」
のです。
これは、「写すこともお勉強」に通じることです。
もし、まだ、写すことはいけないことだと考えているなら、再考してみてください。
「写していい。」
「真似していい。」
初めて聞いた時、それはそれは、衝撃的でした。