教科書をたくさん持ち歩くのは効率的ではないと、タブレットPCを教科書代わりにしようと、一時期盛んに言われました。
しかし、この頃はそのような主張は下火になっています。その理由は、脳にとってタブレットPCはあまり効果的でないことが分かってきたからです。
脳科学者の篠原菊紀氏が、以下のような実験をやってみました。
「被験者にはメガネ市場に関するプレゼンテーションを聞いてもらい、手元の資料が「紙」である場合と同じ内容を「タブレット」で閲覧する場合とで脳活動に差があるかどうかを調べた。また、プレゼンの終了後に、内容をどれくらい覚えているかを確認するテストを実施した。」
その結果、脳の活動については、左側の前頭前野の活動に有意な差が出ました。
左側の前頭前野は、特に言葉にかかわるワーキングメモリーとかかわっています。ここがタブレットより紙の資料の場合のほうが活発に活動したのです。
プレゼン後の内容確認テストでも、紙の資料を見たときの平均正答数は、タブレットで資料を見たときのそれと比べて約11%多かった。つまり、紙の資料のほうがプレゼンの内容をよく覚えていたのです。
紙という素材は、言語に関わる脳活動に影響を与えるのです。
やはり、教科書は紙の方がよいようです。
日経 BIZGATE
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