発達障害がある子の多くは、自分を褒めるのが得意ではありません。

人の悪口ばかり言っていて、授業に参加せず、友達に暴力をふるっている1年生の子がいます。
この子に対してどう接していくか、2年生になった先生が受けたアドバイスが次のようなものでした。

「発達障害がある子の多くは、自分を褒めるのが得意ではありません。特性があるために、他の大多数の子と同じように行動できず、悩んでいます。だからこそ、できるところを褒められる体験が必要なのです。(中略)子供が「自分にはこういうことができる」と思い、自己有能感がもてるように対応しましょう。」

このようにアドバイスしたのは、宮尾益知ドクターです。
担任の先生がどのように対応したのか、教育トークライン2020年10月号に書かれています。

4月、初めての算数の授業で百玉そろばんを使って授業をしました。
この発達障害の子は、この百玉そろばんの授業に食いつき、教師の問いかけに次々と答えていきます。
教師は、そこをすかさず褒め続けていったのです。

授業を通してできることを増やし、そのことを褒めていくことによって、「自分にはこういうことができる」と思わせていったのです。 このことは事実であり、その子は成長していることを自ら実感することができます。
それこそが、自己有能感をもつ基盤になってるのだと思います。

授業を通して、できること・わかることを増やし、そのことを褒めることで自己有能感をつけていく。
それこそが、発達障害の子ばかりでなく、教室にいる子すべてに対する最大の処方箋だと思います。