まず、その子が何を望んでいるか探ってほしい

教室では、様々な問題行動が起こります。
よく、「こんな子供の問題行動があって困っているのですが、どうしたらよいでしょうか。」「子供がこんな困ったことをしたら、先生だったらどう対応しますか。」と質問されるのですが、なかなか答えられるものではありません。

それは、あくまで「個別」の案件だからです。
対象となる子供が違い、その子の抱えている悩みや障害は1人1人違うのです。

ですから、「こうした方がいいだろう」のような私の当てずっぽうのコメントに期待するのではなく、「まず、その子が何を望んでいるか探ってほしい」と思っています。

子供が問題行動を起こす場合、その行動の目的は4つです。

1つ目は、「要求」です。
その行為をやることによって、あるものやサービスを手に入れるのです。
例として、幼児が駄々をこねて、お菓子を手に入れたり、お母さんと一緒に遊んでもらったりすることがあげられます。

2つ目は、「逃避」です。… 続きを読む

小学校6年生において、自分の住所が言えるのは71.6%

郵便事業株式会社による「手紙の認識度調査」が公開されています。
小学校2019年度
https://www.schoolpost.jp/pdf/tyosa_report2019.pdf
中学校2019年度
https://www.schoolpost.jp/pdf/tyosa_report_chu2019.pdf

これは、教師が授業時間に子供に質問したものを集計したものです。内容は、「郵便に対する基本的な知識」「手紙のやり取り経験」についてです。

これはかなりの衝撃でした。
郵便番号と住所についてのアンケート結果です。

「あなたの家の住所を正確に(番地、建物名まで)言えますか?」
小学校… 続きを読む

「カマリナの沼はかき回さず」評価に関連して

もういつだったか覚えていないのですが、「カマリナの沼はかき回さず」という警句を耳にして、それ以来忘れられません。
そして、その「カマリナの沼はかき回さず」という警句は、私にとって「評価」と関連付けているのです。

詳しく調べてみると、「カマリナの沼はかき回さず」は、エラスムスの『痴愚神礼賛』の中に出てくるらしいとのこと。

その「カマリナの沼」とは、シチリア島にある毒気を含んだ沼地のことで、そっと通り過ぎてしまえばいいのです。
ですが、そっとしておけばよいのに、人はカマリナの沼に石を投げたり、沼をかき回したりして、毒をふきださせてしまいます。

そんな、わざわざ、よけいなことをして、自らを窮地に追いやってしすしまうことを「カマリナの沼をかき回す」と言うのです。

そして、私は評価について話すとき、「カマリナの沼はかき回さず」と言っていました。
それは、あまり評価・評定について綿密に理屈っぽくやってしまうと、評価そのものが目的となってしまい、授業がおろそかになるからです。

だいたい、体育の授業の最中に、名簿を手にして評価チェックしているのはナンセンスだと思っていました。
「そんなことしてないで、教えろよ」です。… 続きを読む