理科では、実物を見て「観察」することが重要です。
しかし、例えば、アサガオの花の「実物」を人数分そろえるのが難しいことがあります。いや、そもそも「実物」がないこともあります。 そんなとき、どうするか。
それは、教科書に載っている絵を写させるのです。
教育誌の教育トークライン2021年6月号のグラビアページに、千葉雄二氏がトレーシングペーパーを使って教科書の図を写させる実践を載せています。
観察の技能(観点)がないと、実物を見て写させても、そっくりそのまま写すことはできません。おしべの数を数えたり、がくの数を数えたりしないからです。 ですから、観察の技能(観点)を養うために、教科書の図をトレーシングペーパーを使って、そっくりそのまま写させます。
すると、図自体がきれいで上手な仕上がりになって、子供たちは満足します。
それだけでなく、そっくりそのまま写したことで、子供たちは、自然に数を数えたり、形を把握したりしているのです。
加えて、
千葉氏は、写し終わった図を着色させる際に、ここは教科書ではなく、実物を見ながら着色させることを推奨しています。
対象を教科書から実物に変えることで、実物を使って写したものの確認をするわけです。
私は、そういう発想をしたことがありませんでした。
ぜひ、トレーシングペーパーを使って教科書の図を写させてみてください。
きっと、上手な仕上がりに満足する子供が続出します。