「行動の選択肢」を示すことで、やらないことを抜け出させる

授業中、机に突っ伏し何もやらなくなってしまう子を担任したことがあります。
原因は、おそらく、込み入ったことが苦手で、面倒なことはやりたくないといった心理状態になったからだと考えていました。

ですが、そんなとき、声をかけてやることを促しても、結局やらないことがほとんどでした。

どうすればよかったのか、そのヒントを太田政男氏が、教育トークライン2021年8月号で示していました。

それは、「行動の選択肢を増やす」ということです。
より詳しく言えば、「やらない以外にも選択肢があること」を教えることです。

その子と話します。
「こんなとき、他にどんな方法があると思う?」

そして、
1 一緒に選択肢を考える
2 順位をつける
3 次の選択肢を選ばせる
ことをするのです。

太田氏は、次のように例示しています。

「わからない・できない」時、どうするか

どんな行動の選択肢があるか
1 聞く(話す)
2 努力する
3 とばす
4 写す
5 やらない

一番良い行動はどれか

このようにして、次に同じことが起こったときどうするかを決めさせるのです。

これなら、「やらない」こと以外は前進であり、褒めることができます。
それは、他の選択肢を増やすことでできることです。

いつも同じように行動してトラブルを起こす子には、ぜひ、「選択肢」を提示したり、一緒に考えたりしてみてください。