体験活動を経験した子は自尊感情等が高い傾向がある

文部科学省は、9月8日、体験活動に関する調査研究を発表しました。
「令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究結果報告」
https://em-tr270.com/L90494/b300/114541

これによると、

「小学校の頃に多くの体験活動を経験している子は、高校生の頃に自尊感情・外向性・回復力が高い傾向がある」

ことがわかったのです。

これは、どういうことなのでしょうか。
体験活動とは?
自尊感情・外向性・回復力が高いとは?
ですね。

まず、
調査方法は以下のようです。
・8歳(小学2年生)前後の1年間に、当人や保護者に体験活動を行った回数を調べます。
・そして、その子が17歳(高校2年生)時点の自尊感情等を調べます。
・以上2点の相関関係を調べます。

で、体験活動とは、
・自然体験(キャンプ、登山、川遊び、ウインタースポーツなど)
・社会体験(農業体験、職業体験、ボランティア)
・文化的体験(動植物園・博物館・美術館見学、音楽・演劇鑑賞、スポーツ
観戦など)
です。
要するに、学校の教科学習以外での学びの経験と言ってよいと思います。

そして、自尊感情とは、
・自尊感情(自分に対して肯定的、自分に満足しているなど)
・外向性(自分のことを活発だと思う)
・精神的な回復力(新しいことに興味を持つ、自分の感情を調整する、将来に対して前向きなど)
です。

ちなみに、体験回数が多いほど、成長後の自尊感情等が高くなっています。
また、これは、その子の家庭の収入水準にも結果は左右されなかったのです。

この結果は、相関関係があるということで、因果関係ではありません。

収入の多寡に関わらず教育熱心な保護者なら、いろいろな体験活動をさせるでしょうし、また、愛情深く育てるでしょう。
その結果、自尊感情等の向上につながったと考えることもできます。

それでも、学校以外において多様な体験活動を経験することで、自我に対する好影響をもたらすことがはっきりしました。

今回の調査結果は、直接、学校教育のカリキュラムに関わることではありませんが、「多様な経験」が子供の心に好影響をもたらすことだけは、心に留めておいてほしいです。