横浜・山下公園の埋め立て

フェリス女学院中学校は、横浜市にある私立の中学校です。
その入試問題に、横浜市の歴史に関わる問題が出されていて、非常に興味深く思いました。
https://em-tr271.com/L90494/b300/115521

以下、2021年 フェリス女学院中学校入試問題より、理科?の問題。
問題文は、少し長くなりますが、このように提示されています。

「問題」
図1は今から99年前(1922年)の横浜(よこはま)市にある海岸線の様子を示した地図です。また図2は今から82年前(1939年)の図1と同じ場所の様子を示した地図です。図1の時点から17年たって、海がうめたてられ公園ができたことがわかります。

今から8年前(2013年)に、その公園でボーリング調査が行われました。公園の地下6mの深さまでボーリングした結果、下表のような地層の重なりができていることがわかりました。

地表からの深さ 地層の様子
0m 〜 0.5m  最近、公園を整備するために入れられた土
0.5m〜1.8m 海がうめたてられたときに市内の他の場所の河川から運ばれた土砂
1.8m〜4.5m 赤レンガの破片・熱で変形したガラス片・かわら・とう器の破片
4.5m〜6m 海がうめたてられる前の海岸の砂や小石

(問)
地表から1.8m〜4.5mまでの深さの地層にあるものは、いつごろ、何が原因でできたものか、考えられることを説明しなさい。

かいつまんで言うと、1922年〜1939年の間に起こった事柄・事件によって、「赤レンガの破片・熱で変形したガラス片・かわら・とう器の破片」が海岸に埋められて公園ができた、ということなのです。

では、「赤レンガの破片・熱で変形したガラス片・かわら・とう器の破片」を引き起こした事柄・事件とは何なのでしょうか。

・赤レンガの建物が壊れて破片になる
・ガラスが熱で変形するほどの火事が起こる
・屋根からかわらが落ちて割れる
・家にあるとう器が壊れて破片になる

こんなことが1922年〜1939年の間に起こったのです。
そう、これは、

「関東大震災」

です。

そして、このような関東大震災で生み出された瓦礫(赤レンガ、ガラス、かわら、とう器の破片等)を埋め立ててできた公園が、横浜港にある、

「山下公園」

なのです。

ちなみに、日能研の解答例は、このように書かれています。

「解答例」
1923年に起こった関東大震災によって建物が火災にあったり、壊れたりしてできた。

この問題は地層なので、教科のジャンルとしては理科ですが、その地層を読み解くことで、横浜の歴史を理解することができるのです。