「行動とは死人にはできなこと」

今日は、行動分析の応用編というか、留意点についてです。

教室で、授業中、騒がしい子がいたとします。
こういう子には、正直、静かにしていてもらいたいですね。

で、「静かにしている」ことを、「強化」したいと考えます。
それで、静かにしていた後に、褒め言葉という「好子」をその子に与えます。
では、それから以後、静かにしているでしょうか。

K氏は、この目論見は失敗しがちだと言います。
それは、行動分析では、静かにしていることは行動ではないとされるからです。

静かにしていることは「状態」であって、「行動」ではありません。
行動分析は、状態ではなく行動を取り扱います。

では、行動分析において行動の定義は、どのようになっているのでしょうか。

それは、

「行動とは死人にはできなこと」

というものです。

えっ、なんじゃそりゃあ、と思いますが、とにかく、

「静かにしていることは死人にはできる」

から、行動ではないのですね。

同様に、

・しゃべらない
・立ち歩かない

のように、否定語で指示を出しても、うまくいかないのは、それは死人にもできる「行動ではないこと=状態」だからなのです。

なるほど、「否定語」で指示を出すことが、実現につながらない訳は、こんな理由もあるのですね。