「絵がうまく描けなくて荒れる子」への対応

教育トークライン2022年1月号、2月号に「絵がうまく描けなくて荒れる子」について、太田政男氏が書いています。
https://em-tr271.com/L90494/b300/116021

絵がうまく描けないくらいで荒れる?そんな子がいるかというと、いるのです。
もちろん、荒れるといっても、物を投げたり、暴言を吐いてふてくされたりする子ばかりでなく、そうではなくて、「フリーズ」する子もいるのです。 私が、かつて担任した子の中にそんなタイプの子がいました。

では、そのような「絵がうまく描けなくて荒れる子」に、どう対応していけばよいのでしょうか。
太田氏の論考をたどってみます。

太田氏の担任する子は、専科の図工の時間に荒れました。

「うまく描けなかった!」
そう言って自分の描いた絵をポイッと床に落とした。支援の先生の言葉には耳も傾けず、いつものように床に寝転び始めた。」

こんな状況だったのです。

太田氏は、この子が失敗したという絵について、いいところを教えていきます。

「自分の絵のいいところは一つもないと答えたA君に、私は、次のように返した。
「先生、10は言えるよ。」

こうして、色や形を褒めていきます。

ここで重要なのは、

「その子が納得できるように意味づけていく」

ことです。

太田氏は、配色やグラデーションなどを解説しながら、次々と褒めていったのです。

こうして、「失敗したと思う絵の中にも、いいところがいっぱいある」ことを、その子に納得させていきました。

これって、その子が言語化できないことを価値づけてあげることで、自尊感情を高めているのだと思います。

その子がなんと言おうと、全バツの絵なんてありません。
ぜひ、いいところを見つけて、ほめていきましょう。