「天敵がうつ病を引き起こす」

「脳の進化から探るうつ病の起源」なるNHKスペシャルの番組を見ました。
2013年の制作というので、ちょいと古いのですが、それでも、うつ病や問題行動の原因の大枠について理解することができました。 この原因がわかれば、それなりの対応ができるというものです。

なぜ、ヒトはうつ病に悩まされるのか。
それは、ヒトばかりでなく、その祖先である魚まで遡るのです。

魚には、天敵から身を守るために、脳に「扁桃体」が備わりました。
魚は、天敵が近づくと、「扁桃体」から、テストステロンのような神経物質が出て、逃げるために最大限の動きを引き出します。
栄養を逃げるため(もしくは、闘うため)に、絞るわけです。
筋肉に栄養素を送り、脈拍を激動させます。
そして、天敵から逃れると、テストステロンは出なくなって、普段の活動のための栄養の配分になります。

しかし、天敵の来襲のようなストレスを引き起こすことが、一時ではなく、恒常的になってしまうと、テストステロンが出っぱなしになって栄養が偏って放出されるため、脳の神経ネットワークにまで栄養がいかなくなります。 こうして、脳が萎縮し、うつ病が起こるのです。

「扁桃体」を中心とした防衛システムが、一方でうつ病を引き起こす原因となっていたのですね。

「天敵がうつ病を引き起こす」

のです。

とすると、現在の私達だと、この「天敵」的な存在がストレスを引き起こし、うつ病や他の病的な症状を引き起こすわけですね。

だったら、もし職場に「天敵」的な存在がいるなら、最大限、離れるしかないですね。

必要最低限にしか関係をもたずにすむように、そっと離れていく。
逃げることも必要です。