話すようにプレッシャーをかけられた場面緘黙症の子は、もっと話さなくなる

昨日は、場面緘黙について、

「場面緘黙は不安障害の一種であり、わがままではない」

という知見をお知らせしました。

調べていくと、場面緘黙の子に過度のプレッシャーを与えたり、話すことを強要したりすると、

「数年にわたって話すようにプレッシャーをかけられた場面緘黙症の子供は、症状が持続するだけでなく、より症状が悪化する方向に強化されます。」

という、アメリカの学者が言っていることを見つけました。

要するに、これは教師の善意の情熱とはうらはらに、

「場面緘黙の子に過度のプレッシャーを与えたり、話すことを強要したりすると、より強固にしゃべらなくなってしまう」

ということなのです。

これは、場面緘黙は不安症であって、努力したり、がんばったりしても治らないことを知っていれば、そんな過度のプレッシャーをかけることはありませんね。

私が、場面緘黙の子を担任していた頃、そんな知識はありませんでした。そんな知見が広まっていなかったのです。

しかし、その子と接するうちに、これは、無理はいけないという判断を自然にしていました。

場面緘黙の子には、話すよう促すプレッシャーではなく、他の手だてをすべきなのです。