「ユダヤ人のパン屋」という逸話

外発的動機づけが内発的動機づけを阻害していく「アンダーマイニング効果」は、一般的には良からぬことだと思われています。
しかし、その効果を使って、悪しき内発的動機づけを打ち消す事例?もあるのです。 それは、こんな「ユダヤ人のパン屋」という逸話です。
あるまちでユダヤ人がパン屋を開いていました。 すると、まちの悪ガキどもが、そのパン屋の悪口を大声で言いふらしだしたのです。
そのユダヤ人のパン屋は一計を案じます。 「悪口を言ってくれてありがとう」と、悪口のご褒美として10セントずつ悪ガキどもにあげたのです。
明くる日、10セントもらえるからと、また悪ガキどもは店の前にやってきて、悪口をいいたてます。 ユダヤ人のパン屋は、「今日は、余裕がないから5セントだけだよ」と言って5セントずつ悪ガキどもにご褒美をあげました。
また、明くる日、5セントもらえるからと、また悪ガキどもは悪口を言いにきます。 ユダヤ人のパン屋は、「もう1セントしかあげられないよ」と告げるのでした。 すると、悪ガキどもは「そんな少額で、わざわざ悪口なんて言ってられない」と言って、何も言わずに帰って行ったのでした。
こうして、ユダヤ人のパン屋は、それから悪口を言われることはなくなったのです。
まあ、いろいろなバリエーションがあるようなのですが、だいたいこんな逸話です。 (「ユダヤ人のパン屋 アンダーマイニング」等と検索してみてください。)
この逸話は、なるほどという説得力をもつ逸話だと思います。
しかし、現実には、例えば教室で悪口を言う子がいても、こんな悪口対応をすることはないですね。