「みんながやってる」は本当にみんなか

赤信号みんなで渡れば怖くない
みんながやってるじゃないかと言い訳したことはないですか。

もちろん、「みんながやってる」から許される訳ではないのですが、それでも自分だけ見つかって運が悪いと思うことはありますね。 しかし、それは「同調行動」の悪い表れなのです。

実は、私も、シートベルトを着用しないでとりあえず車を発進させたところを警察官に見られて、反則切符を切られたことがありました。 「ちょっと待ってよ。今、着けようと思ったのに」「みんなもシートベルトをやってないじゃないか」なんて、まるで子供のように心の中で言っていました。

でも、
「みんながやってる」という言葉の裏には、自分を正当化しようとする言い訳の本性が潜んでいます。それは、みんながやっていることだから悪くない、自分だけ責められるのはおかしい、という自己中心的な心理です。

同調行動をしたからといって、自分の行為が正当化されるわけでは全くありません。

そもそも、「みんながやってる」のみんなは本当にみんななのでしょうか。みんなではなく、特定の人のことを指すことがほとんどです。 … 続きを読む

「みなさん飛び込んでいますよ」

夏休み入ってすぐ、藤沢市のメディア研究会に講師として行きました。
お昼に、お魚がおいしいと評判の定食屋さんに4人で行ったのですが、「お刺身定食ね」と私が注文すると、他の人も続いて、全員がお刺身定食になってしまいました。 これって、典型的な「同調行動」ですね。

同じお刺身定食を注文した私たちは、典型的な日本人らしいです。
そんな日本人をからかって、「民族性ジョーク」「エスニックジョーク」なるものがあります。
有名なジョークなので、ご存知の方も多いと思います。

様々な民族の人が乗った豪華客船が沈没しそうになる。それぞれの乗客を海に飛び込ませるには、どのように声をかければいいか?
アメリカ人に「今飛び込めばあなたは英雄ですよ」
ロシア人に「海に落ちたウォッカの瓶はあなたのものです」
イタリア人に「美女たちも泳いでいますよ」… 続きを読む

「肥満は伝染する」

2007年、ハーバード大学とカルフォルニア州立大学の研究グループが、「肥満と人間関係」について論文を発表しました。
そこでは、興味深いことに「肥満は伝染する」ことが示されたのです。

研究グループは、12,067人もの生活習慣や、交友関係といった社会活動に関わるデータを分析しました。
分析によると、ある人が太った場合、その兄弟や配偶者が太る確率が高くなる傾向になりました。
しかし、それよりも、その人の親しい友人が太る確率の方が高かったのです。

例えば、男性のAが太ってしまった場合、その妻が太る確率は37%、兄弟の場合は40%です。
しかし、Aの友人が太る確率は57%にもなったのです。
そして、この親しい友人同士の間で起こる肥満化リスクは、その友情が強ければ強いほど高かったのです。

家族みんなが太ってしまうというのは、食生活が似るからという理由が考えられます。
しかし、親しい友人同士であることが肥満に影響するというのは、やはり「同調行動」の心理ではないでしょうか。… 続きを読む