算数の「基本形」は、単元のテストまで

今日も、若い先生の「二度目の学級担任としての学び」をもとに、考えていきます。
その先生の学びの二つ目は、「徹底すること」でした。

「算数で初めての平均90点越えをした。(中略)これまで90点越えを見たことがなかった。去年、おととしはベテランの先生とともに算数少人数やTTでの指導をしていたが、それでも一度もなかった。 一番心がけたのは、基本形を徹底することだった。」

ここで言う算数の「基本形」とは、

「すべての問題の解き方の出発点となる考え方・解き方」

です。

教科書にあるすべての問題は、ある基本の問題を変化させて作られたバリエーションです。
ですから、出発点となる解き方を教えて、それを繰り返し指導することで、たくさんの問題が解けるようになるのです。

この先生は、単元のはじめに教えた「基本形」を、最後のテストまで徹底しました。… 続きを読む

語りを入れる

教育サークルの冊子に、クラス担任2回目の先生が、「二度目の学級担任としての学び」を書いています。
その一つが「語りを入れること」です。

「さまざま語りをすることを覚えた。セミナーや本で教えていただいた語りを、未熟ながらも実践した。」
「子どもたちは、こうした話を聞き、考えを広げたり、大人に対する尊敬のようなものを多少なりとも感じたりするのではないだろうか。」

知識とは違う「知恵」のようなものをもっている大人=先生という図式です。
子供たちは、授業ではない「語り」(の話)が大好きです。

それは、教訓だったり、マナーだったり、世間の渡り方だったり、人間関係のヒントだったり、行事・イベントの意味づけだったり・・・、普段、「当たり前」として行っていることを、違う角度から照らして、新しい意義を与えてくれます。

この先生は、「語り」の重要性に気づき、学校での行動の意味を子供に語っていきます。
・あいさつの大切さ
・靴箱をそろえる意味… 続きを読む

「些細なつらぬき」で方向をとりもどす

昨日、幸田文の短編「些細なつらぬき」を紹介しました。
そして、私がやっていた教室での「些細なつらぬき」とは何だったろうと考えて、次の二つをあげました。

「毎朝、教室に入る時、テンション高く「はい、おはようございます。」と言ってきたこと。」
「子供たちが帰った後、机の整列を確認し、乱れていれば整えたこと。」

幸田文は、「些細なつらぬき」でこのように言っています。

目まぐるしく進む世の中です?
目を?心を奪われることばかりです?
白いふきんなどはあまりに些細ですが?
目をまわした時には?
ふっとこの白をたよりに?方向をとりもどします?… 続きを読む