いさぎよくポイしましょう。

理科専科をしながら教務主任をしていた時、早めに仕事が終わってエアポケットのようにまとまった時間が手に入った時にやっていたことがあります。 それは、たまりにたまった過去の書類を捨てることです。

過去の書類といっても、自分の書類ではありません。過去の教務関係の書類です。

その過去の教務関係の書類は私の机の背後にあったキャビネットを埋めつくし、そして職員室の後方にあった別のキャビネットを埋めつくして、扉をパンパンに膨らましていました。

私は教務主任になった時から、いつかその書類を片付けようと考えていました。
あまりにも古くて意味がない書類だったからです。
学校の公務文書には保存年限があります。その保存年限が過ぎたら、さっさと捨ててしまえばいいのに、十年以上前のものも保存してあったのです。

さて、
よくご存知でしょうが、書類を捨てるといっても、分別しなければ捨てられません。
書類を取り出して紙ゴミに、プラシック製品はプラゴミに、ホッチキスは取りはずして小さな金属ゴミに分けます。… 続きを読む

ぽっと生まれた空き時間を有効に

専科の先生の都合で、時間割が不意に変わって、ぽっと空き時間が生まれることがあります。
そんな時、若い頃は、コーヒーをゆっくり入れて、なんとなくおしゃべりしているうちに、時間がすぎてしまったことがよくありました。

これって、行動経済学では「ハウスマネー効果」と言うんです。
ハウスマネーのハウスというのはカジノのことを指します。

例えば、競馬などのギャンブルで10万円もうけたとします。
そのお金は、不意にもうかったもので、おまけのようなものだと、さらに強気の勝負につぎ込んだり、豪快に買い物をしたり、食事に使ったりしがちです。 普段は、1月10万円でかつかつに何とか暮らしていて、その10万円と全く同じ金額なのに、どうしても同じ価値とは思えませんね。 しかし、そういうギャンブルなどで不意にもうかったお金については、冷静な考え方ができなくなるのです。

このように金額は同じでも、違う価値に見えることを「ハウスマネー効果」と言います。

よく、宝くじで高額当選した人の追跡調査がありますね。あんまり趣味がよいとは思いませんが、心理学者が調べると、次のようなことがわかります。 … 続きを読む

ルビを振るよりも

私が教務をやっていた時、パキスタンの1年生の子が入学しました。
日本にやってきて少したっているのですが、お父さんお母さん、そして子供もまだまだ日本語は不慣れでした。
話すのはなんとかなりますが、書くのはまるきりダメ、読むのは少しだけという状態でした。

さて、
校長先生、学校便りづくりから動きました。
学校便りにあるすべての漢字にルビを振ったのです。
そのルビを点検するのは、教務としての私の仕事となりました。
私は老眼にむち打って、点検したのです。

保健の先生と1年生担任の先生も動かざるを得ません。
保健便りと、学年便りにもルビを振ることになりました。… 続きを読む