ぽっと生まれた空き時間を有効に

専科の先生の都合で、時間割が不意に変わって、ぽっと空き時間が生まれることがあります。
そんな時、若い頃は、コーヒーをゆっくり入れて、なんとなくおしゃべりしているうちに、時間がすぎてしまったことがよくありました。

これって、行動経済学では「ハウスマネー効果」と言うんです。
ハウスマネーのハウスというのはカジノのことを指します。

例えば、競馬などのギャンブルで10万円もうけたとします。
そのお金は、不意にもうかったもので、おまけのようなものだと、さらに強気の勝負につぎ込んだり、豪快に買い物をしたり、食事に使ったりしがちです。 普段は、1月10万円でかつかつに何とか暮らしていて、その10万円と全く同じ金額なのに、どうしても同じ価値とは思えませんね。 しかし、そういうギャンブルなどで不意にもうかったお金については、冷静な考え方ができなくなるのです。

このように金額は同じでも、違う価値に見えることを「ハウスマネー効果」と言います。

よく、宝くじで高額当選した人の追跡調査がありますね。あんまり趣味がよいとは思いませんが、心理学者が調べると、次のようなことがわかります。 当選直後はみんな高い幸福感を感じていますが、それから1年後には、当選前と幸福感は変わらないのです。

ハウスマネー効果によって、ぱっと豪華な使い方をしたいかもしれませんが、幸せは一時的ですので、惑わされず冷静な使い方を考えたほうがよいです。

ぽっと生まれた空き時間、それもハウスマネーです。
むだに使わず、有効に使えるような時間の割り振りがさっとできるといいと思います。

台風による強烈な雨が窓ガラスにたたきつけているのを見て、ふっと思いました。

これから、台風などで不意に1日休校になることもありえます。
そんなとき「ハウスマネー効果」にひたらず、有効に使ってほしいです。