試食・試供品・試着にも保有効果

ピンポーン。
「はーい。」
いつもの宅配便業者だと思って玄関に出て行くと、そこにはチラシを手にした女性が立っていました。

「ヨーグルトの宅配をするんですけど、いかがですか。」と言って、その女性はチラシを手渡しました。
その瞬間、私の脳裏にはさっと4文字が浮かびました。
保有効果。

結局、私は「結構です」と言って、早々に断わりました。

さて、
この試供品や試食といった仕組み。もしかしたら業者は損をしているじゃないかと思ったことはないですか。
そうですよね。ただで食べさせたり、使わせたりするんですから、業者にとっては持ち出しです。
でも、そうすることで、その持ち出しを補って余るほどのもうけが期待されるのです。
そう、それが保有効果です。

一度試食したり、使ったりしてしまうと、そこで終わりにできずに、ついついそのモノを手放したくなくなってしまいます。
また、受け取って食べてしまったからには、食べてしまったからには、少しは恩を返そうという気持ちになる「返報効果」というのもあるのです。

ここで、うっかりヨーグルトをもらうわけにはいきません。
ちょうど、保有効果を勉強してる真っ最中なんです。

そうそう、試着にも保有効果があります。
これもよく考えると、試着させることによって、たたんで元に戻す手間や汚されるリスクを増やすことになります。
しかしながら、一度着てしまうとそれが保有効果になるのです。
今着ているこの服は、自分にぴったり合っているので手放したくない。そこで、購入してしまうというメカニズムです。

さあ、メルマガが書き終わりました。
今、買い物に行ったら、ヨーグルトを買いそうな気がします。