「アドバルーンを上げる」という慣用句がわからなくなってきている

黄金の三日間には、子供たちは教師の言うことを素直にきく傾向がありますが、一方、教師を試すアドバルーンを上げることもあります。
というように「アドバルーン」という言葉を使っていたのですが、そもそも、最近、アドバルーンをとんと見なくなりました。
もう、相手の反応や出方を見ようとして、試験的に一つの行動を起こしてみることを「アドバルーンを上げる」なんて言い方は、死語なのかもしれません。
では、なぜアドバルーン広告を見なくなったのでしょうか。
それは、高層ビルがたくさん建っているようになったからです。 昔は、高いデパートの屋上からアドバルーンを上げて、それを見上げるように注目させて、広告していました。
ですが、今どきは、そんなデパートよりも高いビルが林立して、アドバルーンが見にくくなりました。 それでは、広告の効果もあまり見込めません。
おまけに、最近は、事故等への懸念から、規制が厳しくなっているようなのです。
このように、これから「アドバルーン」を見ることがあまりなくなっていくと思われます。
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「ユダヤ人のパン屋」という逸話

外発的動機づけが内発的動機づけを阻害していく「アンダーマイニング効果」は、一般的には良からぬことだと思われています。
しかし、その効果を使って、悪しき内発的動機づけを打ち消す事例?もあるのです。 それは、こんな「ユダヤ人のパン屋」という逸話です。
あるまちでユダヤ人がパン屋を開いていました。 すると、まちの悪ガキどもが、そのパン屋の悪口を大声で言いふらしだしたのです。
そのユダヤ人のパン屋は一計を案じます。 「悪口を言ってくれてありがとう」と、悪口のご褒美として10セントずつ悪ガキどもにあげたのです。
明くる日、10セントもらえるからと、また悪ガキどもは店の前にやってきて、悪口をいいたてます。 ユダヤ人のパン屋は、「今日は、余裕がないから5セントだけだよ」と言って5セントずつ悪ガキどもにご褒美をあげました。
また、明くる日、5セントもらえるからと、また悪ガキどもは悪口を言いにきます。
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アンダーマイニング現象に気をつけよう

昨日、外発的動機づけが内発的動機づけを阻害していくことについて述べました。 これは、専門用語?で言うと、
「アンダーマイニング効果」
というものです。
アンダーマイニング効果とは、内発的動機づけがあって、自発的に、ただただ達成したい、ただただ楽しいからやっていたことが、報酬を受けることで「報酬を受けること」が目的になって、内発的動機づけがなくなってしまうことです。
これは、子育てや仕事をやってもらう際に、気をつけなくてはならないことだと思います。
例えば、お手伝い。 子供がお手伝いをやったときに、それについて興味があって楽しくてやっていたのに、ご褒美としてお小遣いを上げてしまうと、お小遣いをもらえることに動機づけがシフトしていまいます。
これは、「きれいになって気持ちいいね」とか、「上手なやり方だね」とか、内発的動機づけに沿う声かけがよいのだと思うのです。
例えば、勉強。
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