グライダー能力とともに、飛行機能力も

外山滋比古氏が亡くなったというニュースが流れました。7/30、96歳でした。
外山滋比古氏は、若い世代を中心に40年近く読み継がれているロングセラー「思考の整理学」の著者です。
ご冥福をお祈りいたします。

この「思考の整理学」において、教育の話題で多く語られるのは、「グライダー」という冒頭の章です。

引用します。

「ところで、学校の生徒は、先生と教科書に引っ張られて勉強する。自学自習という言葉こそあるけれど、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力では飛び上がることはできない。」
「グライダーと飛行機は遠くから見ると、似ている。空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく優雅に滑空しているさまは、飛行機よりもむしろ美しいくらい。ただ、悲しいかな、自力で飛ぶことができない。」 「学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間は作らない。」
(中略)
「人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明、発見するのが後者である。両者ははひとりの人間中に同居している。グライダー能力を全く欠いていては基本的知識すら習得できない。」 … 続きを読む

オンライン教員免許状更新講習

この夏、教員免許状更新講習を受けています。
退職しているので、もう更新しなくても良いのかもしれませんが、いざという時のために、更新手続きをしようと思い立ちました。

実は、教員免許状更新講習は初めてです。
この制度が始まって、初めての講習の時は、主幹教諭だったので申請して免除してもらいました。

ですから、現在の更新講習の講座はどんなものかという興味もあったのです。

さて、今年の更新講習は、コロナ自粛によって、リアルに大学で受けるのではなくて、オンラインによるものとなりました。

先日、多くの学校が夏休みに入った時期に、朝9時から16時まで、ZOOMによる講習を受けました。
画面には、 私同様に、講習の単位を取ろうとする大勢の先生達がずらっと並んでいました。
いやはや壮観でした。… 続きを読む

分散登校でも「全員の原則」

「全員の原則」という、向山洋一氏の提唱した授業の法則があります。
それは、「指示は全員にせよ」というものです。

向山洋一氏は、新卒教師のクラスが荒れていく原因を、「全員の原則」を使いこなせなかったからだと説明しています。

こんなささいなことをなぜ聞くいのだろうかと思うほど子供達は次々に聞きにくる。
「給食を食べ終わったら、片付けていいですか」
「 体育の時間の準備体操は誰がするのですか」
(中略)
その頃は新卒教師に対する子供たちの質問は数十にものぼっているから、先生の回答の食い違いも生まれてくる。
ある子供には「お野菜を残して良い」と答え、ある子供には「できるだけ食べてごらんなさい」と答えたような時である。… 続きを読む