ノルウェーでは、いじめの原因を「マナー」「ルール」「精神病理」の三つに特 定する

学校において、「マナー」と「ルール」の区別が曖昧で、対応が不明確なことの典型が、「いじめ」問題だと思います。
その対応の不明確さは、いじめの原因の分類がもやっとしていてることから来てきているのです。

著書「日本を滅ぼす教育論議」の中で岡本薫氏は、ノルウェーにおけるいじめへの対応を紹介ししています。

いじめは、日本だけに限る問題ではありません。
たくさんの国において、いじめが問題となっていた(る)のです。

中でも、国際的に見て、いじめ問題が深刻だったのが北欧の国々だったと岡本氏は言います。
その中のノルウェーでは、1980年代から子供が自殺するなど深刻な「いじめが社会問題化」し、「いじめ大国」とまで呼ばれた時期がありました。 そして、様々ないじめ対策が進められたのです。

ノルウェーでは、いじめが起こった場合、そのいじめが、次の三つのうちどれに当てはまるのかを特定するのです。

1 … 続きを読む

健康増進法改正にみる「マナー」と「ルール」

広報よこはまの7月号に、健康増進法が改正されたという記事が掲載されました。
そのタイトルが、

受動喫煙防止が、「マナー」から「ルール」へ

だったのです。

「マナー」と「ルール」が曖昧になっている学校教育の現状の中、「マナー」と「ルール」の違いを教える、わかりやすい例とならないか調べてみました。

この法律「健康増進法の一部を改正する法律案」は、どんな法律なのでしょうか。
まとめます。

・学校、病院、児童福祉施設、行政機関などは、原則敷地内禁煙が義務化されます。
・飲食店や職場など、多くの人が利用する施設は、原則屋内禁煙が義務化されます。屋内で喫煙する場合には、法令の基準を満たした喫煙室の設置が必要となり、標識の掲示も義務付けられます。 ・20歳未満の人(従業員を含む)は、喫煙エリアへの立ち入りが禁止になります。… 続きを読む

不登校の子に対する登校刺激の是非

ある時期から、不登校の子に対して、登校刺激はしない方がよいということが盛んに言われるようになりました。
これは、現在も続いていると思いますが、「登校刺激をすることで、学校に行けないことを思い出し、罪悪感が生まれるのでかわいそうだ」というのが主な理由だと思います。 しかし、そんな「一律に」登校刺激をしないという方針でよいのでしょうか。

私は、そんなことないと考えて、不登校だった子を担任すると、その子の家を訪問してあの手この手を使って、登校するよう促していました。 そして、私の場合は、再登校するようになったのです。

この2日間、紹介してきた長崎県立こども医療福祉センターの小柳憲司氏も、同じような悩みを抱えていたと著書に書いています。

私が、このような仕事を始めた平成の初め頃は、「不登校の子どもに登校刺激をしてはいけない」というのが金科玉条の時期でした。それまで一般の小児医療の中で、子どもに「頑張って治療して早く元気になろう」と言い続けてきた若い医師にとって、何の刺激もせず、ただ見守るだけというのは非常にもどかしいものでした。

そして、小柳氏は「やっぱり学校には行った方がいい」と明確に言う先生のところに研修に行き学びます。
そこで学んだのは、「現実を直視し、今できることをやろう」ということだったのです。

小柳氏は、以下のように、登校刺激の判断を提示しています。… 続きを読む