先日、神奈川県立高等学校の入試が行われました。
その入試問題が配信されましたので、国語の問題を見てみると、次のような問題が出ていました。
次の例文中の線をつけた「に」と同じ意味で用いられている「に」を含む文を、あとの1から4の中で一つ選び、その番号を答えなさい。
例文
すでに支度を済ませた。
1 今朝は特に冷え込んだ。
2 彼女は穏やかに話す。
3 景色に目を奪われた。
4 寒いのに薄着で過ごす。
このような助詞を含む言葉についての問題は、小学校においても十分扱うに値する問題です。
さて、この問題については答えは1なのですが、上手にそれが正答だという言い方ができなかったので、ウェブで調べてみました。
まず、
4の「寒いのに」の「に」は、逆説の「に」ですね。にもかかわらずという意味です。
他の用例だと、「声をかけたのに知らんぷりされた。」なんて言い方ができます。
次に、
3の「景色に」の「に」は、正真正銘の格助詞です。
目を奪われた対象を表しています。
他の用例だと、「京都に行く。」がわかりやすいと思います。
さらに、
2の「穏やかに」の「に」は、形容動詞「穏やかだ」の活用語尾です。
とすると・・・
例文の「すでに」と1の「特に」の「に」は、副詞のように使うものです。形容動詞のように、「すでだ」「特だ」と語尾を変更できません。
このように見ていくと、答えは1となります。
いかがだったでしょうか。
高校入試問題でも、なんとなく小学生に授業できそうな気がします。