タクシーの修行?

私は、どうも、おしゃべりが苦手です。
とりとめなく、話題があっちに行ったり、こっちに行ったりするのが性に合いません。

しかし、家族や知り合いでない不特定多数の人と、気持ちを交わすには「話す」という手段がとても大切なのだと気づきました。

そこで、思いついたのが、

「タクシーの運転手さんと会話をする」

という修行(トレーニング)です。

タクシーに乗ることがあったら、その運転手さんに話しかけるようにしているのです。
そして、おだやかな話し方で、相手の興味を探りながら、話を続けるようにしていきます。

運転手さんは、こちらの話を聞く義務はないし、話をする義務もないのですから、相手にとっても楽しい時間にならないといけません。

でも、タクシーの運転手さんは、普段一人で仕事をしているせいか、強面の方でも比較的おしゃべりをしてくれます。

先日も家から、新横浜までタクシーを使いました。時間にして、10分くらいの道のりです。
「運転手さん、この前、介護タクシーって使ったんですよ。母が片麻痺なんで助かりました。」
「そうすか。あの介護タクシーって購入すると高いんだ。300万円もする。後ろに車いすを乗せるタイプが高い。」
と、この運転手さんは答えてくれました。

そこから、
「これって、個人タクシーさんですよね。思うんですけど、個人タクシーの運転手さんは、失礼ですけど年配の方が多いですね」
「それねえ、個人タクシーの事業者免許は、もう新たに発行されないの。若い人がやろうとしても、昔から個人タクシーをやっている人から譲ってもらうしかないんだ。だから、年配ばかりになっちゃう」 「へー。でも、いいですね。定年がなくて。」
「うーん、前はなかったんだけど、法律が変わって75歳までなんだよ。俺は、あと4年だ。」

それから、事業者免許が数百万円でやりとりされていて、まるで相撲の年寄株みたいなものだ、なんて話をしていました。
私にとっても、楽しい時間でした。

とりあえず誰でもなんとか、日本語を話せます。
しかし、意図的に修行(トレーニング)することで、自分のスキルアップばかりか、今回のように楽しい時間を作ることもできます。 不特定多数の人と話すのが苦手という人、試しに修行してみませんか。