向山洋一氏が、授業の腕前に関して、落語家の古今亭志ん生の言葉を引用して、その勘違いを戒めています。
「他人の芸を見て、あいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じぐらい。同じぐらいだなと思ったらかなり上。うまいなあと感じたら、とてつもなく先に行っているもんだ。」 古今亭志ん生
この言葉を見た時、少しは自分が授業が上手になったなあと思える時期だったので、「うっ」と言葉を飲み込むショックを感じました。
「あいつは下手だなあと思ったら、そいつは自分と同じくらい」というのは、自分もそいつと同じくらいへたなところがあるということです。
「自分と同じくらいだなと思ったらかなり上」というのは、人は自分を高めに、他人を低めに見積もるもので、本当は自分は下手なのです。
そして、
「うまいなあと感じたら、とてつもなく先に行っているもんだ」は、「うまい」と思わせるうまさは、並大抵のものじゃなくて、ずいぶん上手なのです。
「岡目八目」とは、囲碁の世界だけでなく、授業の腕においても成り立つのでした。
自分は授業が上手だなんて、自惚れてはいけません。