「風の電話」を知っていますか。
それは、岩手県三陸海岸を見下ろす丘にある電話ボックスです。
ただし、「風の電話」はどこにも電話線はつながっていません。
この「風の電話」、庭師の佐々木格さんが自分の庭園に置いた電話ボックスです。
2009年12月にがんで亡くなったいとこと家族を思い、「会えなくなっても、家族をつなぎたい」と考えたのが風の電話だったと言います。
そして、東日本大震災。
佐々木さんは、生き残った人が、震災で死別した家族への想いを風に乗せて伝えられるようにと、庭園を整備し開放したのです。
設置後、家族や友人を失った人たちが各地から訪れるようになリます。
新聞やテレビでも報道され、これまでに3万人以上が訪れました。
電話ボックスには、書家でもあった亡きいとこが書いた、佐々木さんの詩が掲げられています。
あなたは誰と話しますか
風の電話は心でします
風を聞いたなら想い伝えて下さい
想いはきっと伝わるでしょう
電話の脇に置かれたノートには、やって来た人たちが残した、大切な人に届けたかった思いが記されています。
「父さん、やっと話せるところに来たよ。時々、父さんの気配を感じていたけど、いつも私たちのこと気にかけてくれているんだね。ありがとう。残された母さんのことは最期まで大切にするよ」
「あなたを亡くしてから、なかなか心から泣けていなかった。いろんな事をもっともっと話したかった。でも頑張って生きようと思います」
今年は、3.11に、東日本大震災のことに思いを寄せる機会を学校として設定することはできません。
ですが、家族で、職場で、少しでよいから話題にしてほしいです。
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