聴覚と嗅覚の知覚過敏

昨日は、発達障害の子における「視覚の知覚過敏」について述べました。
もしかしたら、教室の前面をカラフルに飾りつけると、そんな子たちには、ゲームセンターにいるような感じなのかもしれません。
大人でしたら、その場を離れたり、改善を要求したりできるのでしょうが、子どもにはそんな判断力も訴求力もありませんね。
ですから、私たちが環境を整えてあげるのです。

今日は、聴覚と嗅覚の知覚過敏について述べます。

聴覚の知覚過敏
音がやけに大きく聞こえるというか、「響く」という感じだそうです。
にぎやかな場所にいると、様々な「響き」を感じて、非常に疲れるというのが聴覚過敏の症状です。また、特定の音が気になって仕方がなくなります。
発達障害の子によって気になる音は異なりますが、甲高い声や、合奏の音、掃除機などの機械音などがあげられます。
ですから、そのような音の刺激が出ないようにするのが、環境を整えることになります。

理科や生物係の活動のために、水槽に金魚やメダカを飼育することがあります。その場合、多くはポンプで水槽に空気を送ることになります。
そのポンプのぼこぼこした音が、発達障害の子には、巨大な音になって響くのです。
ですから、私は、金魚やメダカを飼う場合、子どもが教室にいるときはポンプの電源を切っていました。そして、子どもが帰った放課後に、ポンプの電源を入れていたのです。
研究授業などで、他のクラスを訪れたときに、ポンプがぼこぼこぼこぼこと動いているのに気づくと、私はその電源をさりげなく切っていました。すると、教室はあっという間にシーンとした静寂に包まれたのです。
正直、鈍感な担任の先生だなといつも思っていました。

教室の机や椅子を移動させる際、床とこすれてギー・ガタガタという音がします。こんな音も、発達障害の子は苦手です。
そんな子がいるときは、椅子・机の足にテニスボールをはめるようにしていました。
学校としての取り組みもやっていました。結構手間がかかるので、聴覚過敏の子や難聴の子がいるクラスから、だんだんにテニスボールをはめていけば良いと思います。

嗅覚の知覚過敏
においに過剰に反応するのです。
少しのにおいを過敏に受け取ってしまうことが嗅覚過敏です。少しのにおいでも過剰に受け取ってしまうあまり、ストレスが増加します。においに耐えられなくなって、吐いてしまうこともあると言います。

魚のにおいがダメな子が多いようです。
経験的に言うと、魚といっても給食のような調理された魚ではなくて、理科の授業などで触れる魚です。
学校の池に連れて行って、めだかを取ったり、プランクトンを取ったりする時の匂いがダメなのです。
その時は、無理させないで、離れた場所で学習させます。