教室での黙祷

西日本を襲った豪雨の被害がだんだん明らかになり、多くの方が亡くなったことがわかってきた日、私は、一人秘かに黙祷をしました。 「亡くなられた方々、どうか安らかにお眠りください。」

私は、6月の大阪の大きな地震の時も、一人秘かに黙祷をしました。
倒壊した塀で死亡したのが小学生だったこともあって、沈痛な思いでした。

もし、私が小学校に勤務していて学級を担任しているならば、学級において黙祷を捧げていたはずです。

大きな災害や事故によって被害にあわれた方に黙祷を捧げるほかに、私はクラスの子のご家族に不幸があった際にも黙祷していました。 といっても、私は学級の子の父母・兄弟が亡くなるという事態に遭遇したことはありません。ご家族の不幸は、祖父母もしくは曾祖父母の方々が亡くなったという事態でした。 そして、それは、それなりの頻度で訪れました。

忌引きの名目で、学校をお休みすると保護者から連絡が入ると、誰が亡くなったかわかります。
そして、その子が忌引きを終えて学校に出てきたときに、まず「どんなおじいちゃんだった?どんなおばあちゃんだった?」と少し話をしていました。 「そうか、夏休みにおじいちゃんの家に毎年行っていたんだ。やさしいおじいちゃんだったんだね。」

それから、その子に向かって尋ねました。
「そのやさしいおじいちゃんが天国で安らかにすごせるように、そして、あなたのことを見ていてくれるように、みんなで黙祷を捧げようと思っています。いいですか。」 その子が「うん」と頷くと、私は教室で黙祷を捧げました。

「・・さんのおじいさんが3日前にお亡くなりになりました。そのおじいさんの家に、・・さんは夏休みごとに行って、たくさん楽しい思い出を作ってきました。その時のおじいさんは、とてもやさしかったそうです。」
「・・さんのおじいさんには、天国で安らかに過ごしてほしいです。そして天国から見守っていてほしいと思います。では、・・さんのおじいさんが安らかにすごすよう、黙祷をします。」

このようなことを言って、短い黙祷していたのです。

これは、特に保護者に断りを入れずに行っていました。
苦情もありませんでしたが、個人面談で黙祷してくれたことを感謝されたことはあります。

今でしたら、子供に承諾を得た上で、保護者に断りの連絡を入れるかもしれません。