先生が笛の合図をするまでは動いてはいけません。

向山洋一氏が、「子供を動かす法則」はただ一つだと述べています。

では、「子供を動かす法則」は何か。
それは、ただ一つである。

「最後の行動まで示してから、子供を動かせ。」

子供を動かす秘訣は、これに尽きる。
「子供を動かす法則」 向山洋一

その説明の中で、次のように書いてある箇所があるのです。
遠足に行って、昼食の食べ方の指示をする場面です。

そそっかしい子供がいて、これだけで動き出してしまうかもしれない。日頃の指導にもよるのだが・・・。
そこで、次のような前おきをすることが必要かもしれない。

「話を最後まで聞きなさい。先生が笛の合図をするまでは動いてはいけません。」

この「前おき」は、指示の最後(笛の合図)を示しています。
要するに、「最後の行動まで示す指示の最後」という二重構造になっているわけです。

確かに、
日頃の指導ができていれば必要ない前おきだと思いますが、全校での集まりなど、多くの子がそのような約束ごとに慣れていない場合には、頭に入れておくべきです。

例えば、全校集会で2人組の体操指導をするとします。

「今日は、ジャンケン体操をします。台の上で一度、2人の人にやってもらいますから見ていて下さい。」

こう言って、朝礼台の上に集会委員会の子どもを上げて説明します。

「まず、向き合います。最初はグーと、二人とも両足を揃えてグーを出します。そして、ジャンケンポンと足じゃんけんをします。あいこになったら、もう一度やります。」

ところが、こんな説明の途中から、台の上のお手本を見ながら一部の子供たちが真似をして動き始めたりします。
これでは、まずいです。

どうすればよかったのでしょうか。
これは、話の最初に、

「今日は、ジャンケン体操をします。説明が終わるまでは、動かないでください。」

と指示すればよいのです。

指示の最後を示すこと、とても大切です。