トイレットペーパーのデマ騒ぎ

まだコロナウイルスによる自粛生活が続いています。
この間、残念なことに、様々なデマが流れました。そして、その中に、トイレットペーパーが不足するというデマがありました。

このデマについて、いろいろな捉え方がされていますが、最近「そういう考え方もあるのか」という考え方を知りました。
「多元的無知」という考え方です。

トイレットペーパーを買いだめした人に対する調査でわかったことです。
それは、買い出した人の9割の人が、トイレットペーパーが不足するという情報がデマだと認識していたのに買ったと、答えたのです。

うーん、確かに。
そういう認識はあると思いました。
私は頑なに、「買わない」と決めていましたが、それでも、ちらりと「買っておいた方がよいかも」と思ったことがあったからです。

でも、これってどんな心理なのでしょうか。
これが「多元的無知」というものです。

まず、このように考えます。

「私はデマを信じない。だまされない」

でも、次にはこう考えるのです。

「ほかの人はデマを信じ、だまされて、トイレットペーパーを買うだろう」

そして、その次にはこう考えます。

「そうしたら、自分は困ってしまう」

こうして、トイレットペーパーを買う行動に走ったというのです。

つまり、自分は信じてはいないけど、周りは信じているに違いないと考えてしまっている状態です。
デマと理解しつつ、結果的に他の人と同じ行動をとるのです。
そして、この状態を「多元的無知」というのです。

私は、今回のトイレットペーパー騒ぎ、他人事ではないと思っています。