自閉スペクトラム症の子には予習が大切

自閉スペクトラム症の子には予習が大切だと、宮尾益知ドクターが教育トークライン2020年8月号で言っています。
このことは私の経験上よくわかります。

宮尾ドクターは、自閉症スペクトラム症の子は概念化が難しいと言います。
こんな例をあげて説明しています。
A というコンビニでおにぎりを万引きしたとします。いけないことだと教えます。
今度は、 Bというコンビニでおにぎりを万引きをします。それもいけないことだと教えても、今度はCというコンビニで同じことをするのです。

自閉スペクトラム症の子は、Aというコンビニ、Bというコンビニ、Cというコンビニを概念化して「コンビニやお店」と捉えることが難しいのです。 わかりやすく言うと、A、B、Cのコンビニは、それぞれ別のもので、共通のこととしてくくることができないのです。
そうすると、自閉症スペクトラム症の子には、似たようなことが、別の新しいものと感じられてしまいます。

ですから、その新しさになじませるためにも予習が必要だと、宮尾ドクターは言うのです。

受け持った子の中に、図工と音楽の授業になると固まってしまう子がいました。自閉スペクトラム症の傾向のある子で、新しいことがとても苦手でした。 私は、積極的に予習をさせていました。本番の授業の前に、その子に次に行う図工や音楽の題材をやっていたのです。
予習をすると、その子は安心して図工や音楽の授業を受けることができました。

自閉スペクトラム症の傾向があると思われる子に対して、少しでいいですから予習をしてみてください。きっとその子は安心すると思いますよ。

教育トークライン2020年8月号
https://www.tiotoss.jp/products/list.php?category_id=29