自閉スペクトラム症の子へは、場所や場面ごとに5回は指導する

自閉スペクトラム症の子の問題行動は、場所や場面ごとに、毎回ていねいな指導が必要だと、どんぐり発達クリニックの宮尾益知ドクターが示しています。

これは、どのようなことかと言うと、例えば、あるコンビニでおにぎりを盗ってしまう子がいて、ダメだと指導しても、他のコンビニで盗ってしまうことへの対応です。 自閉スペクトラム症の子は、あるコンビニでダメなことは他のコンビニでもダメだとなかなかつながっていかないのです。
ですから、場所が違う他のコンビニでも盗ってはダメだと指導しなくてはいけません。

このことを、掃除の事例で、島村雄次郎氏が教育トークライン2021年8月号に書いています。
https://em-tr270.com/L90494/b300/114061

それは、図書室の出張掃除でサボってしまう自閉スペクトラム症の子がいて、そこでほうきの使い方やゴミの集め方を指導したとします。 その子は、その週は一生懸命掃除をします。

しかし、次の週、廊下の掃除になったら、またサボって、ほうきを振り回すのです。
ここでは、叱るのではなく、また、ほうきの使い方やゴミの集め方を指導するのです。

このように、教室でも、廊下でも、場所ごとに指導していくことで、どの場所でも掃除のやり方は同じだとわかってきます。
その回数は、目安として5回だと宮尾ドクターは言っているのです。

ぜひ、自閉スペクトラム症の子が問題行動を起こしたら、5回は同じことを、場所や場面ごとに指導していってください。